元ヒーローが投げかける、現在の戦隊シリーズへの疑問から考えてみる
僕は1987年生まれなので、リアルタイムでは知らないが、1986年~87年に放映された「超新星フラッシュマン」でレッドフラッシュを演じた垂水藤太氏が、現在の戦隊ヒーローシリーズのあり方に疑問を投げかけています。
それによると、2011年の海賊戦隊ゴーカイジャー以来、過去作品の戦隊たちが「レジェンド」的位置でごく当たり前のように登場することが多くなっていて、それが子供にはわからんのでは?ということらしい。
5年前のヒーローなんて、5歳の子供にはわからない
先日、スーパー戦隊シリーズの2000回を記念して、2011年に放送された海賊戦隊ゴーカイジャーのメンバーが、動物戦隊ジュウオウジャーの中で久々に集結した。
2011年といえば、もう5年前だ。大人にすればつい最近だけど、子供たちにすれば下手すりゃ生まれる前だ。
1987年生まれの僕に置き換えれば、5歳の時(92年)に大好きなジュウレンジャーを見てたら、突然5年前のヒーロー(ちなみに、87年のヒーローは光戦隊マスクマン)が出てくるようなもんで、確かに「?」となることだろう。
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展開もちょっと・・・?
ちょっと気になって、ゴーカイジャーがジュウオウジャーに登場した部分の映像をちらっと見てみた。
なんというか、ジュウオウジャーがゴーカイジャー(ゴーカイレッド)一人に簡単にやられてて、子供にしてみたら、憧れのヒーローが突然よく分からない人にボコられてる図にしか、見えないよなぁ…(当然最終的には共闘するとしても)と思った。
うちの従兄弟の子供は、ジュウオウジャーど真ん中で見てる(3歳半)らしいので、ぜひ彼に率直な意見を聞いてみたいと思う。
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そもそもスーパー戦隊シリーズ自体、大きな矛盾をはらんでいる
しかし、これは昔から言われていることだが、スーパー戦隊シリーズは、高い視聴率を上げ、かつ玩具の売り上げも上げなくてはならない。
この二つを達成するためには
・多くの子供たちが見ること
・その親たちが子供の見ている放送内容を理解し、玩具を買うこと
を達成しなければならない。
要するに、大人も、子供も満足させなければならないのだ。
そうなると、「子供に分かるほど単純明快なのに、それでいて大人の鑑賞にも堪えるストーリー」というものを作るほかはない。そんな難しいことを逃げずに毎年やってる戦隊シリーズの制作陣は、すごいと思う。
スーパー戦隊=教育番組≠大人のための番組
しかし、このシリーズの制作者であるテレビ朝日と東映には、ある意味心強い味方が存在する。いわゆる「大きなお友達」である。
彼らは放送内容を熱心にみるし、かつまとまったお金も出してくれる。
実際、スーパー戦隊シリーズと同じ日曜朝枠で放映されているプリキュアシリーズでは、近年本来のメインターゲットのはずの幼児の人気に陰りが見られる一方で、大人のファンは根強く視聴を続けているといわれている。
ここ数年のレジェンドが多く出てくる企画というのも、その大きなお友達に向けたものなのだろうか?(5年前のヒーローがわかるのは、よほどの戦隊マニアの子供でない限り、大人だけだ)
ついにスーパー戦隊シリーズは、子供の手を離れ、大人とマニアのためのものになっていくのだろうか…
宮内洋氏の「ヒーロー番組は教育番組だ」という発言も、忘れ去られる日が来るのだろうか。その時こそ、私はスーパー戦隊が本当に終わる日なのだと思うが……
追記:ゴーカイジャー登場をさも嘆かわしい・・・みたいな論調で書いてますけど、M・A・O(市道真央)は好きです。
だからこそ、大人が、いや大人しか分かんないようなネタは、涙を飲んで控えましょうよと…こういうことです。