虎尾伴内の手帳 ~真夏の顔を持つ男~

ただしBREEZEは鼻から通り抜ける

1987年生まれの僕が、レコードでQUEENのボヘミアンラプソディを聞いてみた

もう20年近くも前の話になる。ある日、親戚の叔父さんが母のためにと持ってきたQUEENのCDをなぜか僕が勝手に再生してしまって以来、僕はQUEENのファンである。

当時、数少ないQUEENのファンサイトをめぐっては、おそらく母と同世代であろう先輩ファンの思い出話や、ガチめの考察、ファンならではの妄想小説や、笑える小ネタで楽しんだものだった。

 

グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

 

  

当時の面影を求めて

僕がQUEENを聴き始めた頃には、とうにフレディ・マーキュリーはこの世を去っていた。当然、メンバー四人がそろったLIVEに行くことは叶わない。

母がかつて観に行った1979年金沢公演の思い出話を、どれだけ羨ましく思ったか・・・。

ちなみに母は当時の国鉄金沢駅に、メンバー4人が降り立つ姿を見たという。
なんという幸運!

小ネタを挟んどくと、この金沢公演のせいでフレディは風邪をひき、大事な武道館公演で喉イガイガだったという。

 


Queen - Live In Tokyo 1979 (Part 4)

※ボヘミアンラプソディが声全然出てないのが分かる。 

のちに母が観に行った金沢公演の音源を入手し、ファンたちの歓声の中に母の声が混じっていないかと耳を澄ましたりもした。

 

そうだ、レコードを聴いてみよう

当時の気分に浸るには、やはりレコードだろう。そう思っていたが、なかなかレコードを聴く機会には恵まれなかった。第一プレイヤーがないし、当時のレコードにはプレミアがついてまず入手できない。

そんなさなか、書店であるものを見つけ、「これだ!」と思った。

一体いつ完成するかわからないお城やロボットのプラモを雑誌形式で発売することでおなじみ(笑)の「デアゴスティーニ」から発売された、「オペラ座の夜」本物のレコードである。

 

デアゴスティーニのいつものやり口で、創刊号の「オペラ座の夜」は1980円で入手でき(次号以降は2980円)かなり安い。

私は居ても立っても居られなくなり、「母の誕生日プレゼント」 という名目で、安いレコードプレイヤーとともに母にプレゼントし、実家で再生してみることにした。QUEENに興味のない弟も、レコードはもの珍しかったようで、目を丸くしていた。

 

ION Audio Max LP レコードプレーヤー USB端子 スピーカー内蔵

ION Audio Max LP レコードプレーヤー USB端子 スピーカー内蔵

 

 

レコード知らない世代(1987年生まれ)がレコードを初めて再生した感想

・そもそも単なる溝に音楽が入っていることが理解できない(笑)

・丁寧に扱わないと傷ついたり、割れたりする感じが冷や冷やする。音楽を聴くという行為に緊張感が増す。

・好きな曲まで飛ばせない(こともないが、傷つくのが怖い(笑))のもどかしい反面、これが本来の姿かもしれないなと思った。

 

結局母ではなく私の方が夢中になって、アナログレコードプレイヤーから流れてくるフレディの声に耳を傾けていたのは、20年前QUEENと初めて出会った頃とちっとも変っていなかった。

 

終わりに

ちなみにレコードプレイヤーは安いもので7~8000円、アルバムは2,000円なので、セットで1万円を切る値段で当時の気分を味わうことができる。

また、最近のレコードプレイヤーはUSB接続に対応しており、再生した音をパソコンなどに取り込めるようになっており、非常に便利だ。

月並みなまとめ方かもしれないが、「当時を知る人には懐かしく、知らない人にはとても新鮮」なので、ぜひ映画「ボヘミアンラプソディー」で初めてQUEENを知った方は、一度レコードでQUEENを聴いてみてもらいたい。