虎尾伴内の手帳 ~真夏の顔を持つ男~

ただしBREEZEは鼻から通り抜ける

元祖イクメンこと平宗盛をNHK大河ドラマの主役にした方がよい二つの理由

今年の大河ドラマ、真田丸は、個人的に好きな大泉洋が出ていることや、以前再放送を見た「真田太平記」と出演者がかぶることもあり、毎週楽しみにしている。

真田三代 上 (文春文庫)

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今年の大河は個人的にツボだったが、ここ数年は、幕末や戦国にばかり焦点が当たっていることや、取り上げられる人物がマイナーなこともあり、ネタ切れ感は強い。

しかし私は、そんな大河の主役にぴったりな人物を知っている。

それは平宗盛だ。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/20/Taira_no_Munemori_large.jpg

説明しておくと、平宗盛は、かの平清盛の三男で、清盛亡き後の平家の総帥だ。あの「壇ノ浦の戦い」でも、平家は宗盛を(一応)総大将として戦っている。

なお、平家物語などでの彼の扱われ方は散々で、凡庸暗愚臆病わがままな人物として描かれており、物語中でも宗盛のダメエピソードは枚挙にいとまがない。

 

・壇ノ浦の戦い後、ビビって入水できず、家臣に海に突き落とされた上、泳ぎ回った挙句源氏に捕まる

・源氏に捕まった後も、命乞いを繰り返し、頼朝らに呆れられる

・いよいよ処刑がきまった後も、最後の最後まで命乞い

平家物語 (岩波文庫  全4冊セット)

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そんな男をなぜ私は一年間の大河ドラマにしたいか、それには二つの理由がある。

①感覚が普通の現代人の感覚に近い

さっき宗盛のダメエピソードとして挙げた、「ビビって死ねない」というのは、あくまで「武将としてダメ」なのであって、我々現代人からみたら、むしろ当たり前だ。

戦に負けたからって、あなたは春の海に飛び込んで死ねますか?

また、宗盛は家族への情愛深い人物だ。妻が病死したとき、朝廷の役職を辞任して喪に服し、残された小さな息子を、当時珍しく宗盛自身で養育している。

そう、平宗盛日本の元祖イクメンなのだ!育休どころか仕事辞めてるんだから。

どこぞの某宮崎議員とは、格が違う。まあ、彼も仕事辞めてるけどね。

そんな頼りなくも優しい現代的感覚を持った平宗盛からみた源平時代を描けば、現代人の共感を得ること間違いなし!

 

②年代的にちょうどいい~平家躍進から滅亡まで~

源平時代をネタに大河を作る場合、平清盛(1118~1181)を主役にすると、壇ノ浦の戦い(1185)の前に主役が死ぬことになり、中途半端感が否めない。

NHK大河ドラマ 平清盛 完全版 Blu-ray-BOX 第壱集

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一方、源氏方の源頼朝(1147~1199)を主人公にすると、伊豆に送られて以降は10年ぐらい何にも起こらないし、義経(1159~1189)の場合は、清盛とは逆に平家の躍進期にまだ生まれていない。義仲(1154~1184)に至っては、活躍した時期が本当に短いので、放送期間の大部分は木曽山中編だ。

その点、平宗盛(1147~1185)は、平家の躍進から、滅亡までをきちっと描くことができるし、一般的にあまり知られていない、壇ノ浦の戦いのその後も描くことができる。

 

私は思う、なぜNHKは平宗盛を主役にした大河を作らないのか・・・。

多分いいホームドラマになって女性受けもすると思うんだけどなぁ。主役は「あさが来た」での演技が光る玉木宏辺りで・・・。

連続テレビ小説 あさが来た Part1 (NHKドラマ・ガイド)

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