虎尾伴内の手帳 ~真夏の顔を持つ男~

ただしBREEZEは鼻から通り抜ける

なぞの飲料水「どりこの」って何だよ!

皆さんは、清涼飲料水「どりこの」を知っているだろうか?

知っているとしたら、その人は戦前~昭和40年代に子供だった人なので、かなりの年配者だ。私は数分前に知った。

最近では艦これの4コマにも取り上げられているみたいで、ちょっとした話題らしい。

それにしても不思議な名前だ。「どりこの」って何だよ。同じく昔から日本人にはなじみの深い「カルピス」や「ヤクルト」に比べて何かこう間抜けな感じがしないだろうか。「伊豆のどりこの」・・・いや何でもない。

http://ord.yahoo.co.jp/o/image/SIG=1518t2jqq/EXP=1448466351;_ylc=X3IDMgRmc3QDMARpZHgDMARvaWQDQU5kOUdjUnROQk8yNFdvQThUejRLeDZJVVp2b3BYS21zaXdmaWF5YzhuZTItS3N2cDFxaVNfaHVVV3J3QXJDUARwAzQ0R3A0NEtLNDRHVDQ0R3VJT2lKcHVPQmsuT0NqQS0tBHBvcwM5BHNlYwNzaHcEc2xrA3Jp/**https%3a//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2a/Dorikono_advertisement_in_1930s_01.jpg/200px-Dorikono_advertisement_in_1930s_01.jpg←当時の広告(※字体が面白すぎる。こんな太い字で「どりこの」と大書されたら夢に出るわ。)

 

「どりこの」は、医学博士の高橋孝太郎によって考案され、ブドウ糖が疲労回復に役立つことから、砂糖を原料に、グルタミン酸なども加えて作られた一種の健康飲料だったようだ。

なお、この不思議な名前の語源は、開発者や助手らの名前の頭文字からとられているそうだ。まるでジャニーズ事務所のグループのような名づけではないか。

この「どりこの」は、昭和5年に現在の講談社が販売。きっかけは当時の社長が、味をたいそう気に入ったからだそうで、そんなことで出版社が畑違いの飲料水を売るとはつくづく自由な時代だ。

当時「どりこの」を売り出すべく、東京のど真ん中で美人コンパニオンを集めて試飲会をやったりするなど、かなり派手にやっていたようだ。

そのすさまじさは、のちに本にもまとめられている程。

伝説の「どりこの」  一本の飲み物が日本人を熱狂させた

伝説の「どりこの」 一本の飲み物が日本人を熱狂させた

 

しかしその後の戦争による物資不足で「どりこの」の販売は終了。戦後は講談社の手を離れ、細々と販売が続けられていたそうだ。

残念ながら開発者の高橋は、1970年に死ぬまで一切製法を明らかにせず、かつ関連書類も高橋の手で処分されており、唯一知っていたと思われる高橋の甥(復刻版を一時販売)も、製法を明らかにしなかったことから、完全に幻の飲料となっている。

ちなみにどりこのの原液はパンに塗れるほどドロッとしたものだったらしく、カルピスと同じく水で割って飲んだそうだ。

気になる、気になる・・・。