虎尾伴内の手帳 ~真夏の顔を持つ男~

ただしBREEZEは鼻から通り抜ける

(旧ブログアーカイブ記事)東京タワーを読む・・

(※2006年当時の状況です。2016/11/9追記)

東京タワー・・オカンとボクと時々オトン。

 

東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン (新潮文庫)

東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン (新潮文庫)

 

 

大泉先生主演でのドラマがもうすぐ放送されるそうだが、僕ははやり物には無頓着なので、「よくある恋愛小説みたいなものか?」と大きな勘違いをしていた。

(実際、数年前に東京タワーっていう恋愛映画ありましたよね?)

 

東京タワー (新潮文庫)

東京タワー (新潮文庫)

 

(※2006年当時の僕が勘違いしていたのはこっち。)

 

実際は、僕(リリー)とオカンの一生をつづったほぼノンフィクションなのだが、作者のリリー・フランキーという男がどうみても信用できなさそうな男に見えたので、(ココリコ・ミラクルタイプでのイメージ)なんとなく読まずにここまで来た。

 

いとこの姉ちゃんが「あげるよ」といったので、テストが一段落ついてから読むことにしたのだが、ついつい気になってしまい読み始めた。

 

僕は本を読むのが早いほうだったが(ただし正確に本の内容を理解していない節がある)それでも読み終わるのに3~4時間かかった。

 

僕は今、大学生なのでリリー(こういう呼び方でいいのか?)が学生時代に何もせずただただ遊んでいた場面で「俺はこういうのにはなるまい」と思いつつも「いや、ここまで遊び倒せたら逆にすごい!」などと思ったりした。

「何をして良いかわからない」というのは今の僕の心境そのものだし・・。

 

多分、この本を5年後に読んでいたら20代前半のリリーに、5年前に(5年前はこの本出てないけど)読んでいたら中学生ごろの彼に自分を重ねただろう。

 

それくらいリアルで、身近さを感じさせる描写だった。

 

リリー(だからこの呼び名はちょっと・・・)のオトンは僕の母親の父に似ている。

もし、あの爺さんが39で死なずにずっと生きていたらどうなっていただろうか?

(母親たちはそんなこと考えたくもないだろうが)

 

ちなみに、僕はずっと同じ家に暮らしてきた家族を失ったことがまだない。

この本を読んで、そのことへの恐怖(素直にそう言っちゃったほうが良い)が増した・・。