虎尾伴内の手帳 ~真夏の顔を持つ男~

ただしBREEZEは鼻から通り抜ける

極私的仮想通貨「バブル」考~バブルには良性と悪性あり~

現在のビットコインをめぐる状況は、バブルであろうか。
ブルームバーグに興味深い記事が乗っていた。

www.bloomberg.co.jp

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iqare9hW8N34/v3/-1x-1.png

(※記事中から引用した画像)

確かにグラフを見ると、90年代からのITバブルをはるかに上回るペースでの価格上昇が、ビットコインで起こっていることがわかる。

過去の「しくじり」に学べ!

そもそも「バブル」「バブル」言っているが、その語源は元々1700年代にイギリスで発生した「南海泡沫事件」である。

何が起きたかをざっくり解説すると

・国立の貿易会社(南海会社)が収益改善策として国債販売を始める→収益が好転

・収益好転により株価が上がり、当時まだ珍しかった株式市場自体への注目が高まる

・当時株式会社設立は許可制だったが、勝手に会社を設立して株を取引する「ヤミ株式会社」が横行、実態もない会社が乱立して、次々に株が取り引きされるようになる

市場が過熱しすぎ、政府が規制してバブル崩壊

という流れになっている。

どっかで見た流れですね(すっとぼけ)

ちなみに、バブルの主役になった南海会社の株価の値動きはこんな感じ。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/e/ef/South-sea-bubble-chart.png(出典:wikipedia「南海泡沫事件」)

バブル崩壊後は、バブル前を下回ってしまっている。1720年初には100ポンド過ぎだったものが、5月には1000ポンドに迫ったが、夏に政府の規制が入って大暴落、翌1721年後半にはバブル前の値段すら下回っている。

この暴落で大損こいたのが、あのニュートンである。「人々の狂気までは計算できなかった」というのが彼の敗戦の弁だ。

 

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

 

※不朽の名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」には、この南海泡沫事件をはじめとした、様々なバブルにおける滑稽な有様が描かれているので必読。

バブルは全て悪なのか?

そもそも私はバブルには良性と悪性のものがあると思っている。

バブルの元祖である南海泡沫事件後、株式会社は会計監査を受けることは義務付けられ、人々になじみの薄かった「株式会社」を世の中に定着させるという効果はあった。

また、2000年前後のITバブルも、実態がないとして崩壊こそしたものの、現在世界で最も株式時価総額が高い企業は1位のアップルから5位のAmazonまですべてIT企業である。

そう考えると、技術革新に伴って起こるバブルというものは、決して悪いものではないのだ。

一方で、1980年代末の日本で発生した不動産バブルや、現在進行中のアベノミクス相場は、一体何を残しただろうか。これを私は本当に実態のない、悪性の(真の)バブルだと考えている。

個人レベルではどうすればいいのか

「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、結局のところ「市場なんて予測できねえんだから、素人は黙ってインデックスファンド買っとけ」という結論で終わっている。

あの分厚い本は、このためだけの前フリに過ぎないのだ。

 

だから、ぜひこれを読んでいるこれから仮想通貨に参入したい皆さんは

いったんバブルの崩壊を待ち(多分今年か来年中には起こると思う)、そのうえで、主要仮想通貨にインデックス的積立投資をする(仮想通貨にインデックスファンドはないけど、仮想通貨全体における各通貨の割合に応じてリバランスしてけばいいでしょ)

というのが、比較的安全で有利(必ずもうかるとは言ってない)かと思われますので、ぜひご検討ください。

仮想通貨のインデックス型投資については、また考えて書きたいと思う。