後世に伝えたい「ナイアガラ」的生き方 その③「ナイアガラレーベルって何?(後編)」
前回記事では、主に1980年代のナイアガラレーベル(っていうか大瀧詠一)について書いた。
大瀧詠一の音楽活動は、1985年のシングル「フィヨルドの少女」を最後にいったん終了しているものの、あくまでそれは自分名義での作品を作らなくなった、というだけで、実際にはそれ以降も楽曲提供は続けている。
1986年には、大瀧が敬愛するクレイジーキャッツに「実年行進曲」を提供。
(※MP3でダウンロードできるなんて、すごい時代だ。)
※なお、同じくクレイジーキャッツファンの所ジョージは本作を「こんなもの作った奴はろくな死に方をしない」と酷評。私は所さんを「人の批判をしない人」だと勝手に思っていたのでややショックだった。
1988年には小泉今日子に「怪盗ルビイ」を提供。
そこから長い沈黙期にはいるものの、1995年には渡辺満里奈のミニアルバム「Ring-a-Bell」をプロデュース
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なお、この当時の渡辺満里奈が「笑っていいとも」に出演したときの映像がYoutubeに以前上がっていたが、この中で、実はタモリも大瀧詠一のプロデュースでレコードを作る予定だったそうだ。
そしていよいよ1997年、フジテレビ系ドラマ「ラブ・ジェネレーション」の主題歌、「幸せな結末」が発売される。大瀧本人の名義としては、実に12年ぶり。さらに当時はCDバブルの時期であったが、100万枚の大ヒットとなる。
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なお、この曲は渋る大瀧にフジテレビのスタッフが熱心にラブコールを送り続け、制作されたようである。(なお、そのスタッフはのちにフジテレビ社長となる、亀山千広。)
その後、1998~99年には市川美和子のシングル、およびアルバムのプロデュースを行っている。
このアルバムでは、10代から30代女性の心情を当時20代前半だった市川が歌い分けるというコンセプトの元制作され、このうちの一曲「雨のマルセイユ」では、市川が限界ギリギリの低音で30代の女性の気持ちを歌っている。(大瀧がそのまま歌っても全く問題ないぐらい低い。)
2003年には、ナイアガラレーベルとして最後のシングル、「恋するふたり」が発売された。これも前作「幸せな結末」と同じく、フジテレビ系のドラマ主題歌として制作され、こちらもまずますのヒットとなった。
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大瀧は、1990年代は「幸せな結末」「Happy Endで始めよう」の2曲、2000年代は「恋するふたり」の1曲だったから、2010年代は0曲だ、と生前語っていたが、皮肉にも2013年末の死を以って、それが実現してしまう結果となる。
なんか記事が脱線しまくってアカンことになってしまっているが、とにかく、いよいよ次から、ナイアガラ的な生き方、考え方とは何なのか!?ということを自分なりに書き散らしていきたいと思っている。